by mezzopiano
こんばんは。
【明日なに聴く?|今日の1曲】では、クラシック音楽・インストゥルメンタル曲を中心におすすめの1曲を紹介していきます。
それでは早速いきましょう。
今日の1曲|リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタOp.18(1888)
シュトラウスが作曲した唯一のヴァイオリン・ソナタ。
シュトラウスといえば……どの曲をイメージしますか?
やはり『ツァラトゥストラはかくかく語りき』でしょうか。それとも誰ソレ?といったところでしょうか。一般的には交響詩・交響曲といったジャンルでの活躍が目立った音楽家かもしれません。
もちろん、いわゆる代表作が名曲なのは言うまでもないんです。それらの話はまた別の機会に譲るとして。
唯一にして最上。このヴァイオリン・ソナタは、冒頭のピアノが奏でる主題から心を撃ち抜いてきます。シュトラウスとかよく知らんし……みたいな初めましてさんも大丈夫!なぜなら私とシュトラウスとの出会いもこの曲だからっっ!!
この主題は音を変え1楽章に何度か奏でられるのですが、違う表情を見せられるその度に心臓をキュッと掴まれます。この主題、しっかり覚えておいてくださいね。ここ、テストに出ますよ。
さぁ1楽章もそろそろ終わりに近づいてきた終盤、ヴァイオリンの高音が響き渡った後、もう1度この主題に帰ってきた時……しかもピアノで……あまりの美しさに涙してしまいました。
2楽章。これよこれ、これぞ2楽章!という甘美でカンタービレなメロディー。
冒頭にヴァイオリンで奏でられた美しい主題はピアノと分け合っていき、調和が素晴らしい。これぞピアノ伴奏の器楽ソナタの醍醐味でしょう。
中間部の激しさを消し去ってしまうかのような静けさで幕を閉じます。
3楽章。『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』とそっくりではありませんか!?
ロマン派の影響を受けていた初期から、独自の色合いを強めて交響詩などで大成功を収めていく……そのちょうど過渡期の作品であるのも納得というか。
中間部のハ長調に転調している(譜面上は臨時記号で♮が付けられている)部分ののびのびとした開放感が気持ち良い。調号あってこそ、調号なしが光り輝く……
これからのシュトラウスの個性を予感させるような、ロマンチックにとどまらない表情を見せてくれます。
★おすすめの1枚★
R. シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ Op. 18/レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 P. 110 (チョン・キョンファ/ツィメルマン)
(Deutsche Grammophon)
チョン・キョンファとツィメルマンの素晴らしい技術を堪能できることはもちろん、冒頭の主題にカーンと頭を打たれること間違いなし。パリっと、はっきりとした曲の入りが好みであります。盛り上がる箇所ももっといってほしいのに~!なんて微塵も思わせない、2人の掛け合い、高まりがベストな1枚。
ちなみにレスピーギのヴァイオリン・ソナタも素晴らしいのですが、それはまた今度。
それではお休みなさい。
明日また良い1曲に出会えますように!