【明日なに聴く? | 今日の1曲】J.S. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1043  

by mezzopiano

今日の1曲|J.S. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1043(1720?)

誰か……私と一緒に2台でヴァイオリン弾きましょう!!!

……と、ヴァイオリンを弾いたことも触ったこともない、いや、触ったことはあります。触ったことくらいしかない私が、誰かを誘いたくなるくらいの曲です。

バッハが生涯で作曲した3つのヴァイオリン協奏曲のうちの1つ。意外と少ないんですね。やっぱり多作のイメージが強くて。

実は編曲版(?)にpfパートで参加して、演奏したことがある。……ということをたった今思い出しました。各楽器の掛け合いの、絡み合いの妙とタイミングが凄くて、合奏経験の少ない自分は、なんというか自分のタイミングが来るたびにすごく緊張したのも良い?思い出です……。
まぁ私なぞの話は置いておいて、それくらい掛け合いを楽しめる曲です。いや、楽しめる、という気楽なものではなく、程よい緊張感をたたえながら推進していく曲です。

どんどん流れていく、前向きな1楽章(主題が格好いいよ!)も良いのですが、なんといってもこの曲の2楽章が素晴らしい。
私がこんなところで感想垂れ流す必要は全くないくらいの名曲ですが、とまらないので書かせてください。

2楽章、Largo ma non tanto。淀みない流れがありながらも、1楽章の後なので自然と落ち着いて聴こえる。出だしの音でやられて、数小節進んだ頃にはもう涙で前が見えません。……こんなメロディーどうやったら書けるの?好みが見透かされているのかな?数個の音符で心を揺さぶってくる。弾きたい弾きたい弾きたい私もヴァイオリン弾きたい(地団駄)。
絡み合い、掛け合いが多かった1楽章とは対照的に合奏は控えめに伴奏に徹している。決まったパターンのリズムで安定しているゆえ、独奏は甘美なメロディーをもったりさせずに乗せていけるのかも。すっごくロマンチックなんだけど、胸焼けしないのは常に音楽が前へ前へと進んでいるから、ですよね。中音域と高音域の掛け合いにグッとくるよ……これが300年前の曲ですよ?信じられるだろうか?いや、信じられない。反語。←みたいな言い回しがmpの高校時代に流行りました。漢文イキリがすごい。 とにかくこんな素敵なメロディーを生み出してくれてありがとう300年前のバッハ……

やっぱり鍵盤弾きにとってもバッハの作品は一生の課題で。ん〜、ピアノはめちゃくちゃいい楽器なんですけど、バッハの音楽の根底は歌な気がして。減衰楽器での表現は難しいなぁといつもいつも悪戦苦闘しています。こういうヴァイオリンの掛け合いの演奏を聴くと参考になるなぁ。

★おすすめの1枚
J.S. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1043/2台のチェンバロのための協奏曲 BWV 1060 (ミュンヘン・バッハ管/リヒター)BACH, J.S.: Concerto for 2 Violins, BWV 1043 / Concerto for 2 Keyboards, BWV 1060 (Munich Bach Orchestra, K. Richter)
(Deutsche Grammophon)
バッハの曲を演奏するために設立(すごい)された、ミュンヘン・バッハ管弦楽団による演奏です。私はまだまだヴァイオリニストや楽団には疎いのであれこれコメントする立場にもないのですが、彼らの演奏の、1楽章の「勢い」と「端正」が間違いなく一緒になっている演奏が非常に好みであります。バッハの弾き方は本当に解釈や好みが分かれることと思いますが、ロマンチック全開で滑らかに弾かれると輪郭ボヤけてんなぁ、と私は感じてしまいます。あと、2楽章の対旋律の絶妙な目立ち方というか、主旋律に溶け切らない感じが好きです。甘美さのなかにも骨っぽさがあって。あ〜バッハ格好いいわ。ジャキジャキしたバッハがお好みの貴方にぜひ聴いて頂きたい1枚です。

それではお休みなさい。
明日も良い1曲に出会えますように。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です