芥川也寸志《24の前奏曲》

24の前奏曲
という名のつくものはなかなか沢山ある。

かの偉大なる大バッハの《平均律》に始まり、
ショパン、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、スクリャービン、カバレフスキー、キュイ、パルムグレン、アブラミャン……
挙げればキリがないほど、のちの作曲家たちも続いて、優れた24の前奏曲を生み出した。

そして邦人作曲家までもが24の前奏曲をつくっていたのである。

芥川也寸志。

不勉強な私にとって芥川也寸志は「まぁ教科書で名前が見たことある名前かも。下の名前の漢字も読めるぞ。」くらいの認知度。
ピアノ教師をやっているゆえ童謡には多少通じているから、かろうじて「《小鳥のうた》の人」である。

芥川也寸志(1925‐1989)
25歳で「交響管弦楽のための音楽」を発表し、NHKの放送25周年記念管弦楽コンクールで特選入賞。明快で力強い作風が特徴。日本を代表する作曲家・指揮者として活躍。映画音楽・ドラマ音楽の分野でも名曲を残した。『N響アワー』の司会でお茶の間からも人気を集めた。

*参考:芥川也寸志|NHK人物録

(N響アワー、懐かしい)

ピアノ曲はさほど多くのこしておらず、管弦楽のジャンルに主要作品が多い。

24の前奏曲集……他の作曲家においても好きな曲集。あれば聴きたくなる曲集。
1曲あたり短いものも多いが、しかし24曲・全調。コンパクトな曲の中に個性が凝縮されていてすごく好き。しかもあらゆる調で聴けるなんて!なんて気軽で贅沢な曲集。大好き。

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さて芥川也寸志の24の前奏曲ですが。
なんということか……素敵すぎて一気に24曲ざっと弾いてしまった(笑)
他の作曲家の24の前奏曲は演奏者にそこそこ技術を要求するものが多いが、この曲集は違う。「こどものためのピアノ曲集」と銘打っているだけにやさしく書かれており、弾きにくい箇所がない。
(もちろん全調なので、ある程度調号に慣れておけばベター)
いや、なんなら弾ける調だけ弾いてもよい。簡単な短いものでもよい。

曲のラインナップは様々。哀愁漂うもの、リズミカルで明快なもの、葬送行進曲のようなもの、歌心あふれるもの。
日本的・現代的な響きも取り入れ、それでいて古典的美しさとのバランスも失わず、ちょっと音を出してみるだけで嬉してニヤニヤしてしまうような美にあふれている。

こどものためにつくられた曲集であるが、作曲者も記しているように「おとなたちも子供と楽しみを共有できる」すべてのピアノ愛好者が楽しめる音楽に仕上がっている。

また素敵な曲に出会ってしまった……
ぜひ楽譜を手にとって弾いてみてほしい。

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