いざヴァイオリン

8月からヴァイオリンを習いはじめた。
現代の辞典的には「バイオリン」らしいのだが、英語で書くとvから始まり、何となく気持ち悪いので私は「ヴァイオリン」と呼んでいる。

ピアノは持ち運ぶことのできない楽器である。
コンサートピアニストの中には自分のピアノを会場に持ち込む方もいるとは思うが、一般的なピアノ演奏者は会場に用意されているものを使用するだろう。

だから何と無く、「自分の楽器」というものに密かにずっと憧れていた気がする。吹奏楽部の人が何かハコを持って学校に来ているのとか、そういうのを横目で見ながら……

かといって吹奏楽部に所属するわけでもなく、軽音学部に入るわけでもなく(実は数ヶ月だけ入ったことがあるけれど……)、特に希望の楽器があるわけでもなく、日々は過ぎていった。

今の家に引っ越してきてから、近所にどうもヴァイオリン教室があるらしいと情報を得た。SNSやブログを時折覗きながら、楽器が「手に入れば」習いたい、とふつふつ願望を募らせていた。

楽器というものはそう安いものではない。ヴァイオリンだって初心者セットの最低ラインでも10万円は出すべきだろう……というのは何と無くわかる。「ヴァイオリン習いたいから楽器買います!」と言えないわけではないが、まだ始めてもいない趣味に安くない額を投入するのは少し憚られる。

そんな私の心を見透かすかのように、春、朗報が飛び込んだ。何と、友人がヴァイオリンを譲ってくれるというのである!!こんなにラッキーなことはそうそうない。しかもタダで譲ってくれるというのである(!)少し習ってみたものの、それきり弾くことがなくケースの中で眠っているから弾いてあげてほしい、と。

いざ始めるぞ!となると、本当にやるの?ちゃんと練習できるの?私もお蔵入りにしちゃうのでは?と及び腰になった。なんで人はいつもチャンスがいざ自分の目の前に転がり込んできたら怯えるんだろう。でも、このタイミングで私のところに来てくれた縁を大事にしよう、というかずっとずっとやりたかったんやないか私!と思い、ヴァイオリン教室に飛び込んだ。

ネットの海を泳いでいると、大人になってからヴァイオリンを趣味で習い始める人が結構いることに気づいた。世間的には敷居の高い楽器だと思われているのでは?と思い込んでいたので驚いた。よく考えればピアノなんかよりずっと敷居が低いかもしれない(笑)ピアノは生ピアノを買おうと思えば場所も取るし、そもそも家に置けないかもしれないし、値段もとても10万では手に入らない。その点、ヴァイオリンは場所は取らないし、家以外でも練習しやすいし、(ピンキリはあるのは承知で)安く手に入る楽器もなくはない。しかも生の楽器で始められるなんて!

ヴァイオリンを習っている先輩たちのブログやSNSを眺めて励まされている今日このごろ。今のところはかなり楽しく続けられている。
違う楽器を始めるというのはこんなにも楽しいものか……。普段聴く曲のレパートリーも広がって、新しく素敵な曲ともどんどん出会える。

私もヴァイオリンの日々をこのブログに記録していこう……
1年後、数年後、そのまた先、どんな曲を弾けるようになっているのか楽しみである。
いつかオーケストラにも入って見たいよう!!!

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