絶対に勝ちたいJKのモーニングルーティーン

by mezzopiano

こんにちは。mezzopianoです。

近日はサイトを使いやすくすべく、素人ながらにあれやこれやと手を尽くしつつ、手探りで変更を加えている。

キーワード検索のみだった部分を「作曲家別」「難易度別」などで振り分けて表示できるように。まだまだ試運転中で不完全ですが、長い目で見守ってくださいませ。不具合ありましたらいつでも言ってください。

さて2023年度も半分過ぎようとしている頃、生活が落ち着いてきた。上半期はソロ・デュオでコンクールに出ていたこともあり、ただ前を向いて突き進んで来たのであまり記憶がない。
ピアノを学ぶ方はかなり当てはまるだろう、夏のコンクールシーズンが終わった。秋が来た。ようやく自分のためだけの練習に向き合える時がきた。本番が終わって、金曜日に夜更かしして選曲する、この上ない幸せだ。

私にしては珍しく、あまり悩まないで決まった。
練習しているのはシューマンの《ウィーンの謝肉祭の道化》。大学生の時に2番と3番は弾いたが、他の曲もとても好きで、いつか全部やりたいと思っていた。今回は1番から順に最後まで完走する。

練習している曲の作曲者のほかの曲(難しい言い回し)をBGMにすることが増えるタイプだ。シューマンの他の曲も聴いているわけだが、今日はシューマンの《森の情景Op.82》より〈森の入口〉の思い出話です。


私は今でこそこんなサイトを好き好んで作ったり、大学も芸術系を専攻したり、ピアノを教えることを仕事にしたりなどしているが、かつてはやる気のない子供だったのである。

ピアノは嫌いではなかったと思う。弾けるようになるのが楽しいし、歌ったり踊ったりも好きだった。負けず嫌いだったので、一緒に入会したMちゃんにも教本の進みで遅れを取りたくなかった。でも先生は怖いし、先生は怖いし、練習は億劫でいつもレッスン当日に慌ててやるし、先生は怖いし…… 「先生に怒られるから」練習をしていた。

小学校1年生、2年生のころはこぢんまりとした郊外のサロンで発表会が開催された。3年生だったか、4年生だったかのころ、隣町の市民ホールのような広い会場で発表会があった。

大学生のお姉さんがトリだった。
曲目はシューマンの〈森の入口〉。
この曲がすぐに大好きになった。なんて素敵な曲なんだろう!

お姉さんは音大生ではなく、確か地元の国立大学生だった。音楽教育専攻かもしれないが。
母が「大学生になっても続けていてすごいねぇ。」と言った。

「そうか!大学生までピアノを続ければこの曲を弾けるんだ!あのお姉さんみたいに!」と単純な子供は単純に考えた。

ピアノを辞めようと考えたことはなかったけど(そういう発想がない)、ピアノをいつまで頑張ろう!という具体的な目標はなかったので、生まれ変わったような気分だ。

発表会が終わって、お姉さんに素敵でした、と声をかけた。お姉さんのご家族が「発表会は今年で最後なんです。そう言ってもらえて嬉しい、よかった。」と言った。

今は、確かに20、30年前とはもう違う。ピアノは良くも悪くも手軽な習い事になり、プロを目指さなくても、さらなる上達を望み、長く続けて、一生ものにしたい、と考える人は少ない。いや、ほぼいない。絶滅危惧種レッドリスト。
そういう「ピアノは長く続けるもの」という時代性を考慮しても、大学生までピアノを続けたお姉さんは素敵だと思うし、後輩の記憶に残るような演奏ができるほど自分の音楽を積み上げてきたことが素晴らしい。今はよりそう思う。

大学生まで続ける、まだ足りない、大人になっても……いつまで続けるつもり?大袈裟ではなく、死ぬまで続けていくのだ。お姉さんのお陰で今もピアノを続けている。お姉さん、ありがとう。

そんな単純な私の、初めて買った(買ってもらった)クラシックのCDはこちら。

田舎によくある大型ショッピングセンターの一角、クラシックCDの品揃えの少ないCDショップで購入した。当時《子供の情景Op.15》を練習中だったので買ってもらったはず。いや、〈子犬のワルツ〉の方だったかな。
〈森の入口〉も入っている。何度も何度もトラックを1つ戻して聴いていた。改めて収録曲を見ると、何だか面白い詰め合わせだなあ。《子供の情景》全曲入ってないし。(笑)

中学・高校のときの話。部活の試合の日は、必ず【厳選したお気に入りの音楽リスト】から1曲選んで、聴いて、気持ちを高めてから出発する習慣があった。今風にいうと「絶対に勝ちたいJKのモーニングルーティーン」。その厳選リストに、クラシック曲でたった一つ〈森の入口〉を入れていたんだな。めっちゃ好きやん。

そういえば通っていた教室の先生は、プロの音楽にたくさん触れるべし!という方針で、結構口酸っぱく音源を買いなさい、コンサートに行きなさいと言っていた。お年玉で買わないの!?と言われたこともある。(笑)「ふ〜ん。(といっても、私が買うわけじゃないし、しょうがないじゃ〜ん、お年玉?使うわけないだろ〜!)」と思っていたが、プロの音楽に触れるというのはまっこと大事なことであると、今ならもちろんよ〜くわかります。

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