グローバー・ピアノ教本・VOL.2

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新しく学習する要素
-付点2分音符・付点4分音符
-C・C7・G・G7・F・D・D7・B♭・A・A7の和音
-Ⅰ・Ⅴ7・Ⅳの和音
-8分の6拍子
-ダル・セーニョ
総評
-ハ長調・ト長調・へ長調・ニ長調の基本となる和音(Ⅰ・Ⅴ7・Ⅳ)を習得し、基本の和声感覚を身につけることを1冊通しの目標としているように思う。
本巻の構成は
①長調の音階を学び
②長調の基本の和音を学び
③ ①と②を踏まえて長調の曲で実践する、となっている。
vol.1では和音の伴奏を取り扱わず、重音の伴奏までを課題としていた。本巻は新出事項は少なく、伴奏のパターンもほぼ同じであり、面白みは少ないかもしれない。和音の伴奏の習得のための、vol.1の延長の巻と言えよう。全体的にvol.1から大幅な難易度アップはないので、進んでる!感は少ないですが……vol.1が上下巻になっていると思えばそんなもの。
-和音伴奏の課題を中心に据えながらも、左手を伴奏に固定せず、左手がメロディーを担っている曲もしっかり収録されているところが本巻の魅力。左手も右手と同じくらい「歌える」手を目指そう。
おすすめの曲
歓喜のうた:有名度満点。編曲も良し。ダイナミクスも付けやすい。
おもちゃのラッパ:やはり中間部で雰囲気が変わる曲は、曲として面白くまとまる。
メキシコのみんよう:弾いても聴いても楽しい曲。
子ぐまの行進:左手がよく歌えれば、低音域でメロディーが響く素敵な曲に。
わらの中の七面鳥:弾きやすく、聴き映えも良い。曲の構成も変化がありつつよくまとまっている。
曲名難易度YouTube
曲説明・解説・コメント・練習のポイント など
ブルー・カウボーイ(さみしがりやのカウボーイ)入門2
臨時記号で変化した音がブルースを思わせる。だからブルー・カウボーイなんでしょうか。
二つのムード メリーさんのひつじ入門2
付点2分音符、付点4分音符を学ぶ。1・2・3・4と拍を数えながら練習、と記載ある通り、この練習をすると付点のズレがわかりやすい。はじめはうまく数えられない(ズレに混乱する)かもしれないので、その場合は数えてあげること。
メロディ(イ長調のソナタより)入門2
原曲作曲者のモーツァルトについて少し説明がある。本巻から有名どころ作曲家の説明も付けられるようになったのも特徴の1つ。
モーツァルトのピアノ・ソナタ11番イ長調K.331の第1楽章が原曲(第3楽章がかの有名な《トルコ行進曲》である)。フレーズの表現の良い練習になるので、スラーの切れ目では必ずフレーズを区切ること。手・腕をよく使って、vol.1から取り組んでいるように、フレーズを明確に表現しよう。
Ⅰ度とⅤ7の和音
ちょうちょう入門2
本巻のメインである、和音伴奏を使った曲の登場。
挿絵にある通り、原曲は《Lightly row(軽く漕げよ)》という、ちょうちょうそのものとは無関係の民謡。
半音と全音
ハ長調の音階練習入門2
指番号を正しく守って弾き、音階を弾く基本的な運指を身につけよう。
Ⅳ度の和音/これまでにおぼえた和音
しあわせ/ハ長調の基本になる和音入門2
右手のメロディーは音階練習になっている。和音進行をひとまとまりで覚えよう。
いのり入門2
基本の和音進行で構成された伴奏。右手は長いフレーズもしっかり歌えるよう、スラーの入り・終わりの手首や腕の使い方に注意して。
ト長調の音階練習入門2
正しい指遣いで。
♯を弾く時の指の位置を想定しよう。弾き始める前に、手の位置を少し奥へ調整しておくこと。
よあけ/ト長調の基本になる和音入門2
ダル・セーニョが登場。戻る箇所に注意。弾き始める前に小節の順序を確認しておこう。
ト長調の基本の和音進行を覚えよう。和音を長め(3拍)にのばすので、打鍵後はすぐに腕の力を抜いて。
ジングル・ベル入門2
和音をスタッカートで弾く。腕の力を抜いて弾んで打鍵する。指先・手のひら・甲はしっかり固めて腕を支えよう。
歓喜のうた(第9交響曲より)入門2
有名度合いA級の曲。堂々とたっぷりとしたfで弾こう。3段目のmpはしっかりと音量を落として徐々にクレッシェンドしていくことで、4段目のfもより効果的に演奏できる。
へ長調の音階練習入門2
ハ長調・ト長調と指くぐりのタイミングが異なることに注意。
おもちゃのラッパ/へ長調の基本になる和音入門2
スラーとスタッカートの対比を明確に演奏したい。
子ねこのおどり入門2
タイトルはあるものの、これは練習曲色が強い。へ長調の音階の練習。左手の音階も右手と同じくらいスムーズに弾けるよう練習しよう。
メキシコのみんよう入門2
原題《Chiapanecas(チャパネカス)》はメキシコ南部で生まれた民謡。軽快な3拍子にのって踊ります。アクセントのついている箇所では手拍子の音が想像できる。
メロディ(第6交響曲より)入門2
チャイコフスキーの交響曲6番1楽章より抜粋されたメロディーの編曲。シンプルで良い編曲と思います。雰囲気を掴むため、これはぜひ原曲を聴いてから弾いてほしい。臨時記号がついて半音変化するところがロマンチック。よく聴いて味わおう。
テクニックの練習入門2
チェルニー作曲。左手でメロディーを弾く練習。まずは左手のみ練習し、リラックスして弾けるようになったら右手と合わせよう。
讃美歌入門2
原題は『hymn etude』となっているように、讃美歌の体をした練習曲。保続音をしっかり保って他の声部のメロディーを(保続音を弾く手と同じ手で)演奏する練習。かんたんな多声曲になっている。
多声部からなる曲の練習の入り口として、①の声部をピアノ②の声部は歌う→②の声部をピアノ③の声部を歌う……といったように、1つの声部をピアノで弾きながら他の声部を歌う、という練習をしてみると良い。
夜の使者入門2
使者が乗っている馬の走る様子がスタッカートで表現されている曲。スタッカートの良い練習になる。あまり手を振り上げないで、鍵盤の近くから打鍵してスタッカートをできるように取り組もう。
ト長調の音階練習/へ長調の音階練習/反行の練習入門2
音階の弾き方を復習。
クイーンをたたえるうた入門2
乱暴なfにならないよう、打鍵後は脱力。スタッカート&下降の箇所は速くなりやすいので急がないで、インテンポで弾こう。
あたらしいリズム 8分の6拍子
まずは1・2・3・4・5・6で数える→1・(2)・(3)・4・(5)・(6)と大きな2拍子で捉えるようにする。
ルービイ・ルー入門2
「たのしげにーかろやかに。」と記されているように、左手の和音が重たくなりすぎないよう。休符はしっかり守って息を入れる。
くろい子ぐま入門2
遡ると元はフランス民謡《マルブルーは戦争に行く》。アメリカでは題どおり《THE BEAR WENT OVER THE MOUNTAIN》という民謡のようです。
ニ長調の音階練習入門2
♯が2つ付くので、弾く前に手の位置を確かめて。
ウイナー・シュニッツェル/ニ長調の基本になる和音入門2
前半・後半でメロディーを担う手が交代するので注意。特に後半、左手をよく歌って、右手は音量を抑えよう。この曲のどこがシュニッツェルかはわかりませんが、美味しいですよねぇ、シュニッツェル。カラカラに揚がったそれはそれは美味しそうな……アツアツのシュニッツェルを想像して、楽しく弾いてください。
子ぐまの行進入門2
この曲は可愛くてなんだか好きですね。
完全に右手:伴奏、左手:メロディーなので、右手の音量を抑えて。スムーズに弾けるようになるまで、まずは左手だけ練習。
ミュゼット入門2
J.S.バッハ《アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳》より(ミュゼット ニ長調 BWV Anh. 126)
原曲の前半部分を編曲しているが、原曲の雰囲気を損なわず良い編曲だと思う。手があまり小さくない生徒であれば後半も含めて原曲を演奏させても良いかも。
わかれ入門2
アメリカ民謡が元で、その後もポップスとしても歌われてヒットした曲のようです。原曲の内容は求愛が遅れた(愛を育む期間が長すぎた)ため、愛する人と別れ、悲しんでいるといったもの。ニ長調ですが、「かなしく」とあるようにしっとりと歌いたい。左手のメロディーを素早い打鍵で弾かないようにしたら良いかな。右手の音量注意、左手のメロディーを潰さないように。右手の和音はチャッ・チャッと弾かない。テヌート気味のノン・レガートで良いと思います。
夕ぐれの星入門2
フレーズ同士をつなぐペダルの練習。踏み替え時濁らないよう、耳でよく聴いて。フレーズの最初の音を打鍵するほんの少しだけ後のタイミングで踏み替えます。
祈り入門2
フレーズごとのクレッシェンド(横の動き)を意識しつつも、縦のラインで音を揃えること。揃わない箇所は鍵盤の下がり・タッチポイント・各指の打鍵スピードがしっくりくるまで同じ音を何度か弾き、入念に確認する。《夕ぐれの星》同様、フレーズをつなぐペダルの課題。
シルバー・ベル入門2
右手を飛び越えて左手で弾く単音が「リン」と聴こえる、可愛らしい曲。手のクロスの演奏は腕だけを無理やり伸ばして弾いたり、決して椅子の上でお尻の位置を動かしたりせず、重心移動を使って身体全体で弾こう。動きの割には、聴こえは地味な曲かもです……。
わらの中の七面鳥入門2
vol.1とvol.2で学んだ内容で弾ける、演奏会用の曲。凝った伴奏も使わないため、簡単に弾けるが聴き映えのする曲です。同じ音であっても鍵盤の上を高音から低音まで広く使うと曲が華やぎますね。