by Suketto
今日の1曲|ピアノのための6つの小品 (1903-1905?)
もしあなたが既にこの曲をご存じなら、かなりのクラシック愛好家かレスピーギマニアでしょう。
こちらの記事にもあるようにレスピーギは知名度があるにも関わらず、好きな作曲家として挙げられることは滅多にないように思えます。
彼の場合、イタリア出身ということも影響しているのか、立ち位置が微妙過ぎるんですよね。
同時期の作曲家でいうと同郷のプッチーニ、フランスではドビュッシーやラヴェル、ドイツ・オーストリアではリヒャルト・シュトラウス、シェーンベルクがいて、ロシアにはラフマニノフやスクリャービン、ストラヴィンスキー…
何かの分野で突出していたり音楽語法の発展に寄与したわけでもなく、時代が無調という新しい世界観へと進んでいく中で古い様式に傾倒してみたり。
もちろん古楽復興やと当時の最新語法との融合という意味では十分な功績かもしれませんが、いかんせん異色すぎるというか。
調性崩壊やリズム爆発などのセンセーショナルなそれとは違う方向での異端な気がして。
まぁ大好きなんですけどね。
《ローマ三部作》の人でしょ?ピアノ曲なんかあんの?と蔑ろにしたくなる気持ちは認めます。
私もレスピーギ自体はよく聞いていたのですがピアノのイメージが全く浮かばず、なんとなく敬遠していました。
まぁとりあえずと聴いてみた1曲目、そのキラキラした冒頭で一瞬にして心奪われ気づけば全曲終了…
スッと入って馴染みやすいメロディに聴きごたえのある響きやパッセージ。
冷静に考えれば、あれだけの管弦楽曲を作れる人がピアノ曲を書けないはずはないんです。
本当にもっと早く出会っていればよかった。
詳しい解説はぜひこちらで。
★おすすめの1枚★
レスピーギ:ピアノ作品集 – リュートのための古い舞曲とアリア/ピアノのための6つの小品(シェルバコフ)
《リュートのための古い舞曲とアリア》のピアノ版や《教会のステンドグラス》の原曲である《グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲》などが収録されています。
レスピーギが好きならぜひお試しください。
もっともっと彼が注目されますように…
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