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ベーラ・バルトーク
Béla Bartók
1881-1945
ハンガリーの作曲家。ナジュセントミクローシュ(現ルーマニア領)生まれ。幼少期からピアノや作曲に親しみ、1899年にブダペスト王立音楽院(現:リスト・フェレンツ音楽大学)に入学し作曲とピアノを学び、ピアニストとしても頭角を表す。
1906年からはコダーイと共にハンガリー・ハンガリー周辺の民俗音楽の採集を開始する。採集したものは自身の作品にも取り入れていき、独自の作曲語法を発展させていった。民俗音楽の研究に没頭してゆくが、不安定な国内情勢のなか周辺地域の民謡採集も行っていたバルトークはスパイ容疑をかけられ要注意人物とみなされてしまう。それでもなお国内にとどまり演奏・作曲・研究活動をさかんに行っていたバルトークだったが、ナチスが台頭してくると遂に亡命を決意、1940年にアメリカへ渡った。
コロンビア大学で研究を続けるが経済状態が悪く、またアメリカの生活が合わなかったこともあり困窮した晩年を過ごす。ついには健康状態が悪化し入院。友人らによる支援で生活が少し改善し、作曲・研究活動を再開することができたが、1945年白血病のため他界した。
民謡をモチーフにした親しみやすいメロディーを持つ曲、鮮やかなリズムが刻まれる曲、現代的な和声・不協和音が使われている曲など、強烈な個性を持ち新鮮な印象を受ける作品を生み出しているが、それらはあくまで古典的な和声や構造を基本としている。大戦前後に横たわる「無調音楽✳︎」を掲げるものとは異なっていることも、バルトークの楽曲が広く受容され、現代の幅広いジャンルにおいて重要なレパートリーとなっている理由の1つだろう。
✳︎「無調音楽」という言葉は安易には使いたくない、そもそも無調というものが存在しているのか?という話を突き詰める必要がある……が、ここでは深く掘り下げず、一般的に調性感が崩壊していると見なされる(また、それを標榜している)音楽に対して「無調音楽」という言葉を使った。
【Q.好きな曲は?】
mezzopiano)ピアノ教本《ミクロコスモス》より第6巻に収録されている〈153番ブルガリアのリズムによる6つの舞曲(6)〉。終曲です。《ミクロコスモス》は教本ですが6巻にもなると芸術性も高く、技巧的にも華があり、演奏会用の曲としても充分に耐えられます。この153番は1小節の8分音符を「3+3+2」に分けたリズムで進行していくのですが、この持続されるリズムが癖になります!和声の進行もゾクゾクするくらい鮮やかで、終わりまで一気に駆け抜ける疾走感がたまりません。
|ピアノ作品集(ソロ)
- 10のやさしいピアノ曲 BB 51 Sz.39
- 子供のために 第1巻 BB 53 Sz.42
- 子供のために 第2巻 BB 53 Sz.42
- 子供のために 第3巻 BB 53 Sz.42
- 子供のために 第4巻 BB 53 Sz.42
- ピアノの初歩 BB 66
- ルーマニア民俗舞曲 BB68 Sz.56
- ソナティネ BB 69 Sz.55
- ピアノ・ソナタ BB 88 Sz.80
|ピアノ教本
- ミクロコスモス 第1巻 BB 105 Sz.107
- ミクロコスモス 第2巻 BB 105 Sz.107
- ミクロコスモス 第3巻 BB 105 Sz.107
- ミクロコスモス 第4巻 BB 105 Sz.107
- ミクロコスモス 第5巻 BB 105 Sz.107
- ミクロコスモス 第6巻 BB 105 Sz.107
|参考文献・サイト
〈文献〉
- バルトーク ミクロコスモスの演奏と指導法/山崎孝/音楽之友社
- わかりやすく、面白い バルトーク ミクロコスモス指導法/呉暁/音楽之友社
- 音楽芸術 1994年11月号(特集:バルトークの現在)/音楽之友社
〈楽譜〉
- ピアノ・ソナタ/ユニヴァーサル
- 子供のためにⅠ-Ⅱ/ブダペスト音楽出版社
- 子供のためにⅢ-Ⅳ/ブダペスト音楽出版社
- ピアノの初歩/ブダペスト音楽出版社
- 10のやさしいピアノ曲/ブダペスト音楽出版社
- ソナティネ/ブダペスト音楽出版社
- ミクロコスモス 全6巻/ブージー&ホークス
- ルーマニア民俗舞曲/ユニヴァーサル
〈webサイト〉