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|基本情報
著者:島岡譲(執筆責任)
発行:音楽之友社
B5判・552ページ
|内容
東京藝術大学音楽学部の音楽理論とソルフェージュの授業のために作られた和声の教科書である。学習対象はバロック〜ロマン派の西洋音楽の和声が中心。
実技編・分析編・原理編の3部構成。
実技編・・・4声体の学習。課題の実施を通して基本を学習する。
分析編・・・大家の名曲を中心に実際の楽曲を取り上げて和声分析をする。
原理編・・・より深く、より広く学習したい人向け。和声に関する規則は色々あるが、それら規則がどのように出来上がったか、その成立や発展の過程を解説している。
|コメント
大学で和声について考えることを放棄したのに、仕事上の必要に駆られてこんな分厚い本をまた引っ張り出してきた。
しかし、ちゃんと1から勉強し直すとこれまた非常に面白いのである。こんな基本的な決まりさえ知らずにウンじゅうねんピアノを弾いてきたのかと思うとゾッとする。学生時代もっと勉強していたらーと、ありがちな後悔をするばかりだが、後悔は先に立ちませんから、とにかく先へとページを進めるのみ。
と前向き100%な発言をするも、和声入門者の私は前半の章を何周も何周もして頭に叩き込んでいるので全く最後のページに到達する気配がない。覚えては忘れ、覚えてはほとんど忘れ、覚えてはちょっと忘れ、毎回確実に進歩はしているが身体に和声規則が染み付くまでの道のりは長い。繰り返しの学習が非常に大切である。
解答集が付属しているわけではないので、独学であれば課題の採点も自分自身でする必要がある。私の採点方法をとりあえず紹介。①学習した規則を別紙にどんどん記入していき、ひとまとめのメモにする。②課題採点の際にそのメモを見ながら、実施した課題が規則を守れているか、1つ1つ規則を当てはめて確認する。……という地味な作業を行なっています。慣れればなんてことはないです。
学生時代は和声のテストで赤点でも(恥ずかしすぎる過去)、独習でも、地道に取り組めば和声の試験で8割9割正答できるようになってきました。
規則を眺めていても絶対頭に入らないので、とにかく課題を解きまくることが大事だと思います。こんなんもう覚えたわ!楽勝!と感じられるまで繰り返す。
ちなみに原理編は初歩者などはやらなくても差し支えはない、と記載ありますが、原理編がかなり理解を助けてくれます。純粋に「なんでこんな規則作ったの?」という点がクリアになったり、「この和音にはどんな効果が?」ということなどもかなり詳しく(理解しきれないほどに笑)記載されていたりしますので、独学で和声を自発的に学んでいる方はぜひ飛ばさずに参照していただきたい。
演奏者としては、早く分析編で実践的に学ぶところに到達しなくては!とは思っています……