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曲名 | 難易度 | YouTube |
曲説明・解説・コメント・練習のポイント など |
67.単声に対する3度 | 初級1 | ♫ |
単声・3度のパート、どちらもよく聴いて。3度の重音のバランスを考えよう。冒頭~7小節目のクレッシェンドは息を長く、切らさないように。 |
68.ハンガリー舞曲 | 初級1 | ♫ |
piano(Ⅰ)・・・左手の内声の移り変わりをよくきいて。とても美しいメロディーが響いています。 piano(Ⅱ)・・・Ⅰとの掛け合いを楽しんで。左手のドローンともいえる5度の伴奏をよく揃えて弾こう。低音の弦楽器が踊りの伴奏を鳴らしているように。 |
69.和音のエチュード | 初級1 | ♫ |
左手で演奏する和音は、しっかりと手の形を固めて。対称的に、単旋律はしっかりと歌って弾こう。 |
70.重音と旋律 | 初級1 | ♫ |
音度の異なる重音の練習。音度が広がったときその「広がり」を感じられるか。複調が思いのほか気持ちいい。 |
71.3度 | 初級1 | ♫ |
その名の通り、色々な3度を弾く。 それぞれの重音の色を考え、様々な音のバランスを探ろう。 |
72.龍の踊り | 初級1 | ♫ |
アーティキュレーションをはっきり出そう。 内声が近づいたり離れたり、体を上下左右にくねらせて、絡まりそうで絡まない龍の踊り。日本・中国のエキゾチックな龍踊りがイメージできる。 |
73.6度と3和音 | 初級2 | ♫ |
6度は難しいけど、手の形をしっかり決めて。3和音の音のバランスも考えよう。 |
74.ハンガリーの縁むすびのうた | 初級1 | ♫ |
どこがメロディーを担っているか意識。 |
75.3連符 | 初級1 | ♫ |
3連符はテンポが速くなりやすいので注意すること。 [1]〜[8]持続音にもよく耳を澄ませて。音が重なる瞬間、縦のラインの響きを楽しめる。 [18]cresc.はアクセントの音を利用して段階的にmfに持っていくと良い。 |
76.三つの声部 | 初級1 | ♫ |
3つの声部をどうバランス取るか。特に左手の2声は2種類の音量バランスを試してみてほしい。 [10]〜[11]スラーの切れ目でしっかりと呼吸を入れること。 |
77.小さなエチュード | 初級1 | ♫ |
3度音程を隣り合った指(1と2・4と5)を用いた運指の指定になっている。指の間を拡げる練習になるので運指は必ず守ること。 [1]〜[4]/[5]〜[8]/[9]〜[13]/[14]〜[18]スラーの切れ目ははっきりと呼吸したいが、大きなフレーズで捉えることを忘れずに、途切れ途切れにならないようにしよう。 |
78.5つの音による音階 | 初級1 | ♫ |
指番号をしっかり守って。 [1]-[12]1つのフレーズが2小節ずつ同じパターンになっているが、各々のパターンで区切らず、1フレーズで弾くように。フレーズの途中で手首を下げないようにする。 [20]- 左手に主旋律が移動するのではっきりと弾く。 |
79.J・S・Bに敬意を表して | 初級2 | ♫ |
平均律のプレリュードにありそう。 [1]-[8]アクセントを生かしてサラバンドのリズムを意識しよう。16分音符の分散和音が続いているが、サラバンドのリズムに含まれるように、バタバタしないように。それぞれ和音で弾いてみて、まず和音の移り変わりを押さえよう。和音が5度→4度→3度とギューっと詰まってきているのがわかる。 [9]-[12]ここも和音の移り変わりに注意。rit.+cresc.を利用して[13]に向けて堂々と盛り上げよう。 [13]- 右→左と、♯→♮の付いた同じ音がうまくぶつからないように重なり合っていく。半音で隣り合った・ぶつかった響きが直接的には発生しないが、残響としてほんのり不協が生じている。絶妙なさじ加減。この曲好きですね。喋りすぎました。 |
80.R.Schに敬意を表して | 初級2 | ♫ |
R.Sch.=シューマン だと思われますが、「シューマンぽくない」という意見が散見される曲です。 ……そうかな!? 譜読みする前、譜面をパッと見て、なるほど、シューマンみたいに付点のリズムが多いな、と思ったものです。しかし「シューマンぽくない」という意見を参考書でもお見かけするので、改めてシューマンのピアノ曲を見直していますが、このような付点リズムが沢山使われている……(しかも執拗に)。付点のリズムは能動感や躍動感を生み出すことも出来るし、また場面によっては、そのリズムの崩れが急き込んだり、不安定になったりしているようにも聴こえます。 そしてシューマンの特徴といえば、mp的には6度音程!と思っているのですが、(6度音程の音楽表現の話はまた今度掘り下げましょう)この曲の中でも6度音程がかなり登場。(例えば[1]。全て6度で進行している)やっぱり私は……この曲にはシューマンらしさがあると思います。 音の響きは少し不気味ですが、冒頭に piacevole とある通り、決して重たく、おどろおどろしくならないよう。愛らしさや軽さをまとって弾きたいものです。《子供の情景》に入れてあげたいなぁ。喋りすぎました。 |
81.さすらい | 初級2 | ♫ |
長調と短調の間を絶え間なく動き続けている。[1]-[7]、[8]-[14]とで左右の手の役割がまるっとそのまま交代する。pp〜mpまで細かく指示されているので、それぞれ弾き分けること。ppの時に音量が不足しないように計算して音量を考えよう。臨時記号の微妙な差が続くので譜読みを慎重に。 |
82.スケルツォ | 初級2 | ♫ |
変拍子。7拍子は慣れないかもしれないが、4(2+2)拍子+3拍子で捉えるとうまくいく。 [17]以降、2/4、3/8、3/4の変化を感じながら弾くように。アクセントをきっちりつけられると拍子が変わるタイミングが明確になる。 |
83.途切れのある旋律(中断される旋律) | 初級2 | ♫ |
旋律の途切れた箇所でペダルを踏む、ペダルの後踏み練習の要素のある曲。ペダルを踏む直前の音の響きが残っているうちにペダルを踏もう。スラーのついた旋律、テヌートのついた旋律を全くの別物として弾く必要がある。フレーズの区切りを明確に。 [1]や[4]のように不協な響きの部分、その後に現れるmarcatoの部分をはっきりと差をつけよう。そのためにはスラーのついた部分をしっかりレガートで。 |
84.上機嫌(浮かれ騒ぎ・陽気な遊び) | 初級2 | ♫ |
こちらはぴたりとペダルを音と同時に。特に踏み替え時は要注意。前の旋律の響きが残らないよう、旋律が終わるほんの少し前でペダルをあげる。[7][8][11]の細かいペダルワークをしっかりと。テンポを落としてペダルの上げ下げのタイミングを確認しよう。 [1][2]や[12][13]はまずリズム練習をする。最初はタイがない状態で練習し、リズムを正確に掴んだらタイを付ける。タイトルの通り、冒頭は特にご機嫌で、歯切れの良いリズムで弾きたい。 |
85.分散和音(アルペッジョ) | 初級2 | ♫ |
タイトルにもある通り、分散和音の練習曲的性格を持った曲。[6]以降、左手から右手の受け渡しをなめらかに、流れるように弾く。左手・右手の手首はひと続きの動きを意識する。3拍目・4拍目の音の質にバラつきがないように注意すると良い。[28]〜:[34]に向けて、cresc.とアクセントを利用して気持ちよく上昇しましょう。cresc.やdim.の書いてない箇所も、音の上下に合わせて自然に音量に変化をつけるとフレーズがまとまる。 |
86.2つの長調の5音階 | 初級2 | ♫ |
まずは片手ずつ練習したあと、両手で合わせるとその響きの違いに驚く。さらにその後もう一度片手ずつ演奏してみると、それぞれ、長調のメロディーの美しさにハッとするはず。なんの混じり気のない長調の音階(の一部)が2種類組み合わさると「不協」とは一味違う音響を楽しめる。[19]〜:sfの全音符は息切れしないようしっかりと響かせて。左手の全音符にはsfと記されていないが、同様に。[29]〜:最後のffに向けて各音符の減衰を上書きするようにcresc.気味に弾こう。 |
87.変奏曲 | 初級2 | ♫ |
主題が忠実に変奏される。[1]〜[3]、[4]〜[6]、[7][8]、[9][10]、[11]〜[13]のモチーフに分けられる。第1変奏、第2変奏から変化したモチーフを見つけてみよう。第2変奏([41]の3拍子の箇所)臨時記号で微妙に変化するハーモニーが美しい。特にdolceの記載があるところはうっとりと、まさにdolceな気持ちで味わってほしい。不意打ちされたように感じるほど素直な響きが際立っている。 |
88.管楽器のための二重奏 | 初級2 | ♫ |
どんな管楽器をイメージしようか? 音色、というものは非常に難しい。ピアノは弦を叩いて音を出す鍵盤楽器であり、呼吸によって徐々に音の勢いを変えたり、弓で弾いて抑揚をつけたり、ということはできない。基本的に音が出てしまったら最後、どうすることもできない楽器である。では、その「鍵盤を叩く瞬間」によく注意を払ってみると、指を下ろすスピード、指先の角度、腕にのせる重み……一瞬の動作の中にさまざまな要素があることはお分かりいただけると思う。 mpは今回の演奏では、 右手の管楽器:音は高め、細めで軽い音の笛。 左手の管楽器:音は低め、厚め。さほど重いわけではないが輪郭の太めの音。 以上のイメージでタッチを考えました。右手は軽く透明感のある音で弾きたいので、あまり腕の重さはかけず、指先も少しだけ立てて。左手は少し重さをかけて、指先も少し平く。打鍵スピードは右手より少し遅くして角のない音に。[23]以降は2つの楽器の奏者の掛け合いを楽しむように、3連符で演奏するところは少し生き生きと。左手も打鍵スピードを少し上げて、音の輪郭が見えるようにしています。 |
89.4つの声部(1) | 初級2 | ♫ |
タイトルそのもので、単純な4声体の練習。sop.をしっかり聴かせたい部分では他の3声部の音量をしっかり落とすように。[7][8]4声部が上から順に同じリズムで畳み掛けていくのが美しい。その畳み掛けを利用してrit.するとうまくいく。 |
90.ロシアふうに | 初級2 | ♫ |
同じリズムの執拗なくらいの反復が、どこへ連れて行かれるのか、いつまで続くのか……と不安になるくらい。その同じリズムが渦巻いて一種のトランス状態に陥っているような曲である。ロシアの古い労働歌のように、掛け声を繰り返し歌う。やってもやっても終わらない仕事、苦痛、諦め、など貧しい労働者の悲痛を背負ってpesanteで。ただし遅くならないよう、リズムによく乗って力強く演奏しよう。労働歌は辛い労働をする自分を鼓舞するためにもあるのだから。 |
91.半音階のインヴェンション(1) | 初級2-中級1 | ♫ |
★半音階(の一部)を曲中で演奏する ★同じポジションで手のひらを縮めたり・拡げたり ★細やかで正確なポジション移動 臨時記号が多く、苦手な人にとっては難易度が上がる。半音階が随所にあるので、指の広げ具合を調整する必要がある。半音隣り合った音を弾くとき指同士が非常に近いので、しっかり狙いを定めて打鍵しましょう。まずは片手ずつ(できれば歌いながら)練習し、両声部をしっかり聴く。各々のメロディーを滞りなく演奏できてはじめて、両手で合わせて練習すること。 この曲もまた一見不協のようで、両声部の響きを偏りなく聴けると美しく響いている。良い曲です。 |
92.半音階のインヴェンション(2) | 初級2-中級1 | ♫ |
★半音階(の一部)を曲中で演奏する ★同じポジションで手のひらを縮めたり・拡げたり ★細やかで正確なポジション移動 いや〜〜〜正直この曲は難しいです。91に続いて臨時記号の正確な譜読みは必須、しかも91とは対照的にAllegroで弾かなければいけません。大変です。挿入される半音階を隣り合った指で正確に奏することが求められます。 ただ、この曲に付けられているバルトークの指定指番号は極めて理にかなっており、その通り演奏することで効果が発揮されますし、練習するうちになるほどと納得できるはずです。ミクロコスモスの素晴らしいところは付けられた指番号の合理性だと思います。極力無駄な・無理な動きを排し、手のポジションを正確に移動することさえできれば(ここがポイントですが)その場所で単純な指番号を使ってフレーズを演奏することができます。譜読みの際にどこからどこまで手のポジションが同じなのか/どこから変わるのか、を明確に読み取ることができれば後は楽に演奏できます。 この曲も91同様、まずは片手ずつ練習してスムーズに弾けるようになってから両手で合わせましょう。 [20]〜ffとあります。手を交差させて右手で低音部を弾く箇所がいくつも出てきます。音量が落ちてしまわないように注意。手の動きと同じ方向に少し体重移動して弾くと良い。 |
93.4つの声部(2) | 初級2 | ♫ |
★各声部の聴き分け・弾き分け ★多声体の導入 弦楽四重奏のイメージで。どの声部も2分音符・付点2分音符をよく響かせて音を保てるよう弾きたい。それぞれの声部を分けて練習し(歌いながら)、よく聴けるようになってから4声部合わせよう。 |
94.むかし、むかし… | 初級2 | ♫ |
★多声部の聴き分け・弾き分け ★長いフレーズの歌わせ方 「むかし、むかし…」と語りが始まるような出だし。 [7][9][10]左手の上声部、2度の下降を美しく。ため息のように2音目を少し抜こう。 [15]〜冒頭の主題が登場。左手は主題をイ短調で。 [20]〜前半で登場したモチーフを使い、どんどん別の場所へ引きずり込まれるように畳み掛ける。しかし[27]でpに冷めてしまい、転調した主題が力無く終わる……かのように見せて、最後はfで幕切れがやってくる。 |
95.キツネの歌 | 初級2 | ♫ |
★(場面ごとの)伴奏の変化の表現 ★歌詞のある曲、言葉をもとにしたフレーズ・デュナーミクの表現 ピアノソロのa)、弾き歌い(伴奏と歌パート)のb)に分かれている。弾き歌いは難しいかもしれませんが、ぜひ挑戦して歌の内容を味わってみよう。歌詞とフレーズの関係、歌詞とデュナーミクの関係もまた見えてきて演奏の参考になるはず。 a)b)ともに、中盤mf以降からの少し暗さを帯びた美しい伴奏にも注目。 |
96.揺れ(でこぼこ道) | 初級2 | ♫ |
★長いフレーズの表現 「揺れ」というタイトルだが、ガタガタと揺れてるというよりは、スムーズにいかず(到達点は見えていて、そこに行きたいのに)揺れ動きながら進んでいる、ような曲である。 しかし、”cantabile”の指示である。 ぼこぼこした音運び、3/4拍子といまいち一致しない音の並び(1小節内が♪♪♪×2のまとまりになっている音並びの箇所が多い。6/8のようになっている。)なのでぎくしゃくし感じになるが、バリバリと明瞭には弾かずに、できるだけカンタービレで、スムーズな流れの中にある揺らぎを表現したい。 [4][10][18][28]タイで繋がっている付点2分音符、雰囲気で伸ばして長さが不足しないよう、しっかり♪または♩で拍をカウントする。 |