N.ミャスコフスキー:ピアノのための10のやさしい小品 Op.43-1

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概要
それぞれ1ページに収まるほどの短い小品を収録。どの曲も短く取り組みやすく、美しいメロディーや和声進行、あやしげな響きもあり、このレベルの曲集ではなかなかお目にかかれない充実具合。
「やさしい」というタイトル通り、初心者でも弾ける曲がほとんどで、この曲集を含むOp.43の3つの曲集は技術的にやさしく、子供向けに書かれたものと思われる。
おすすめ
1.春の気分
5.ダンス
8.フィールドソング
曲名難易度YouTube
曲説明・解説・コメント・練習のポイント など
1.春の気分初級1
ジグザグに進む音形が、春を待ち侘びるそわそわした揺らぐ気持ちのようである。上行しては下行するメロディーが、春が来そうで来ない感じでとても良い。
★演奏について
[6][7]左手の4分音符は全て1拍目では弾かないので(全ての小節は休符から始まる)、あまりどっしりとならないように。左手の上声部の半音階進行は少し際立たせて弾こう。
2.競争初級1
音階の練習。随所に差し込まれている♭2つの重音が緊張感を生んでおり、タイトルを聞かずしてもなんとなく走っている曲であることがわかる。
★演奏について
長い音階を滑らかに弾きたい。指くぐりの際に手首が上下に大きく動いたり、手首や肘を捻ったりしないようにしよう。
3.由々しき子守唄初級1
眠れるようで眠れない。長調と短調を行き来する。音は怪しげだが、子守歌なので全体的には穏やかに弾くとよい。
★演奏について
左手の2音にまたがるスラーは、2音目を少し軽く、力が抜けるように。
4.かなしいメロディー初級2
音域は広くないが、3声になっている。各声部の横のつながりをしっかりと聴きつつ、縦に美しい和音が揃う瞬間を楽しみたい。
★演奏について
各声部に分けて練習すること。
5.踊り初級2
細かいアーティキュレーションを正確に奏すると、とても生き生きと楽しげに仕上がる。1ページと短い曲ながら様々な表情が登場する1曲。その分増えている臨時記号の見落としに注意。
★演奏について
楽譜下部には「9-16小節は省略可。その場合は1-8小節を繰り返して弾くこと。」と作曲者コメントあり。
6.気楽な歌初級1
タイトルの通り、終始明るい曲。2拍目裏のテヌート付き8分音符が少し気だるげでいい。
★演奏について
[1]のような音形ははっきり♫+♩と弾くと[5]〜[7]のような長いスラーのフレーズと差別化できて面白い。
[7]〜、左手にメロディーが引き継がれるので、右手の音が大きくならないようにし、左手をのびのび弾こう。
7.ワルツのように初級1
「ワルツ」という言葉でまず想像するリズムは一切出てこない。あくまでワルツ「のように」のところが肝なのかも。
★演奏について
楽譜上はほとんど強弱記号は書かれていないが、音の流れに合わせて膨らませたり収めたり抑揚をつけると美しく、躍動感も出る。
8.フィールドソング初級2
複雑ではないが4声。
9.いにしえの物語初級2
左手の5度の重音、教会旋法的なメロディーが「いにしえ」を感じさせる。
★演奏について
フェルマータは場面の切り替えや、物語の語り手へ引き継がれるタイミングに置かれているので、ゆとりを持って次の音へ行こう。
10.行進曲初級1
最後は明るく大勝利をおさめたかのような。
★演奏について
[6]のB♭はよく響かせて弾こう。
付点のリズムが甘くならないように。(慣れると三連符になりやすい)