O.レスピーギ

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オットリーノ・レスピーギ
Ottorino Respighi
1879-1936

1879年、イタリアのボローニャ生まれ。音楽家であった父に音楽を教わり、ボローニャの音楽学校で学んだ。その後、ペテルブルクの歌劇場のヴィオラ奏者をつとめているとき、リムスキー=コルサコフの音楽を知って衝撃を受け、彼から作曲と管弦楽法を学ぶ機会を持つ
ヴィオラ奏者、ピアノ奏者としてキャリアを積むかたわら、自作品を発表し作曲家として徐々に認められていく。
1913年、ローマのサンタ・チェチリア音楽院の作曲科教授に就任し、のちに院長も務めるが、作曲活動に専念するために2年で辞任している。この頃はレスピーギの傑作群が生まれた時期で、ローマ三部作と呼ばれる3つの交響詩〈ローマの噴水〉〈ローマの松〉〈ローマの祭り〉や、《教会のステンドグラス》などが作曲された。また、イタリアを愛し、古い時代のイタリア音楽にも関心をもっていたレスピーギは、16〜17世紀のリュート曲に基づく《リュートのための古風な舞曲とアリア》という作品も発表している。
リムスキー=コルサコフらから影響を受けた壮大な管弦楽法を用いるレスピーギの音作りは、たいへん輝かしく、イタリアの豊かな音楽文化のもと生み出される美しい旋律とともに大きな音の波を生み出す。それは私たちを圧倒し、彼の音の世界に深く引きこむ力強い魅力がある。1936年、ローマでこの世を去ったレスピーギはイタリアを、そしてイタリア音楽を最期まで愛し、人生のほとんどをローマで過ごした。


レスピーギといえば「ローマ三部作」。これらは学校の教科書にも掲載されるほどメジャーな存在であり、傑作に値することは揺るがない。生演奏を聴いたことがあるが、その音楽の強さにただただ圧倒され、ぶ厚い音が身体をすみずみ突き抜けて、ほかの世界に放り出されたような……放心状態になったのをよく覚えている。しかし……彼のピアノ曲にあまりにスポットライトが当たらなさすぎる、不憫なほどに。決して数は多くないが、美しく甘美な旋律、彼のオーケストラ曲を思わせる重厚で煌びやかな音の層……古典的様式に敬意を払いつつ、近代的な色鮮やかさがピリっと光る曲が揃っている。さすが、歌曲やオペラが豊かに発展してきた「歌のくに」イタリアなだけあって、歌詞がのっているかと思わせる情感的なメロディーの曲ばかり。1発大物が“当たって”しまっている作曲家ゆえか、そもそもイタリア人作曲家のピアノ曲の存在が薄いゆえか、ピアノ曲の録音は少なく、コンサートでも滅多にお目にかかれない。俗な言葉を使うと“映え”も抜群な曲ばかりなのに、何ゆえ!……長々と愚痴(?)を並べてしまった。それほど良い、ということなのだ。

ピアノ・ソロ

スケルツォ 変ロ長調 P.4c


ピアノ・ソナタ イ短調 P.4b


プレスト ヘ長調 P.4d


アンダンテ ヘ長調 P.6


アンダンテ ホ長調 P.6a


アンダンテ ニ長調 P.7


アレグロ ロ短調 P.10


ピアノ・ソナタ ヘ短調 P.16


ピアノ組曲 P.22


前奏曲 変ロ長調 P.23


3声のフーガ・レアーレ ハ長調 P.23a


ピアノ組曲 P.43


前奏曲 ニ短調  P.43a


6つの小品 P.44


トッカータ  P.105b


リュートのための古風な舞曲とアリア P.114


グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲 P.131

ピアノ・デュオ

子どものための6つの小品 P.149

参考資料