M.ステッカー・N.ホロヴィッツ・C.ゴードン/ラーニング トゥ プレイ ブック・1

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対象年齢
おすすめは小学生〜。
特に小学校中学年から始めるタイプにはイチオシの簡潔な教本。
本書前書きには『4・5歳より上〜』と記載があるが、どんどん前へ進むので、あまり練習しない幼児にとっては厳しい。
修了後
4巻を終えると以下の曲集へ進められる。理解度によっては4巻後半から併用も可。
【古典以前】《J.S.バッハ:アンナ・マグダレーナ・バッハの練習帳》《ツェルニー:100番練習曲Op.139》など
【ロマン】《ブルグミュラー:25の練習曲Op.100》《シューマン:ユーゲントアルバムOp.68》など
【近現代】《バルトーク:ミクロコスモス3・4巻》《カバレフスキー:24の小品集Op.39》など
収録曲には臨時記号が使われた曲も多く少しは慣れているため、近現代の作曲家へも進みやすいと思われる。
内容
コンサート・ピアニストとしても活躍したM.ステッカーとN.ホロヴィッツ(教本はC.ゴードンも合わせた3人の共著)によるピアノ教本。全4巻。
全4巻という巻数もさることながら、内容構成も実にシンプルで最低限の楽典しか載っていないので、自分で補足したければ補足できるし、教本に載っているだけの知識でも4巻で一通りの基本は学べる。確実に押さえるところは押さえてある教本。どんどん前へ進んで、一通りのことをささっと身につけてしまおう、というスタイル。小学生以上ならおすすめ教本ランキング(私の中で)上位の教本である。
進度が早い、というのは最重要なことではないが、それなりに練習しているのに「進まない」ことがフラストレーションになるのは良くないと考える。ピアノ教室に通っている以上、どんどんピアノが弾けるようになっていく、ということを生徒と保護者は期待しているし、教師はその希望に応える必要があるからである。ピアノは教本が終わってからが本番で、面白いターンに入っていけるので、教本で着々と基礎を身につけて次へ進みたいところ。そういう指針の教師にはぴったりな教本だと思う。
4巻通して似たような曲を何度もやらせるような停滞感がないのが良い。反対に、練習量が少ないとおそらくついていくのが大変。
教本ならではの、学習内容を盛り込んだゆえに音楽の響きや流れが犠牲になっているような部分がなく、曲の完成度が高いと感じる。
曲数は少なめなので併用曲集として使っても◎。
技術的要素を取り出して練習するページは全くない(音階や和音練習など)ので、必要に応じて別の練習曲集で補うと良い。
譜読みが苦手なタイプの生徒にはもう1冊簡単な教本(中央ド始まりタイプのもの)を併用するとスムーズにいくだろう。
◯とにかくシンプルで各曲の課題が明確
◯1つの曲につき1つずつ新しい課題が増える
◯臨時記号も1巻から出てくる
◯現代的な雰囲気の曲も多く含まれている(伴奏形などが一辺倒でない)
△1曲ずつどんどん新しい課題が増えるため、あまりにゆっくりペースの生徒には向いていない
△アメリカの民謡を編曲している課題が多く、日本の子供達にとって馴染みがあるかと言えば、無い。日本の子供も知っている曲もあるといえばある。何にせよ、現代の子供は大人が当たり前に知っているような日本の童謡や民謡も全く知らないことが多く、そういった曲が多く入っているからといってとっつきやすい訳ではなさそう。(この点については →子供は本当に「知っている曲」が良いのか? もご覧ください。)
〈項目〉
4分音符・2分音符・付点2分音符・全音符
♯・♭・♮
タイ・スタッカート
フォルテ(f )・ピアノ(p
2/4・3/4・4/4
おすすめ作品
♫メリーゴーランド
♫ちょうちょう
曲名難易度YouTube
曲説明・解説・コメント・練習のポイント など
へいたいさんのマーチ入門1
中央ドの音のみ。4分音符・2分音符・全音符を弾く。
のぼる入門1
新出:レ
おりる入門1
新出:シ
ふたりでおどろう入門1
シ・ド・レの復習。
一旦既出音を復習するための曲が挿入されているのも良い点。
ホットクロスバン入門1
新出:ミ
インディアンのおどり入門1
新出:ラ
びっくりばこ入門1
ラ〜ミの復習。
りょうしのおじさん入門1
ラ〜ミの復習。3拍子。
うちゅうせん入門1
新出:ファ
ヤンキードゥードル入門1
新出:ソ
日本では〈アルプス一万尺〉で知られる。
ノアのはこぶね入門1
ソ〜ファの復習。
アヴィニョンのはしの上で(連弾)入門1
新出:ソ
ショートニング ブレッド入門1
新出:ファ。
これで中央ドを中心とした第1の固定ポジションが完成。
ねむいうた入門1
ファ〜ソの復習。左右1〜5指を使う音が登場。
最後の1小節で両手を初めて同時に打鍵する。
ローローロー ユア ボート入門1
ファ〜ソの復習。タイが登場。
ふるどけい入門1
既出音の復習だが、右手のポジションが変わる。
♯が登場。
メリーゴーランド入門1
右手のポジション注意。両手奏が少しずつ増えてくる。
楽隊入門1
新出:ラ
この曲から新出音の説明がなくなるので、教師が書いてあげても良いかも。
グリーンスリーヴス(連弾)入門1
新出:シ
曲が長くなってくる。
あめの日入門1
新出:ド
スタッカート登場。
教本には「短く切って弾きます」と書かれているが、スタッカートは最初に本来の意味である「(音と音を)離す・つなげない」と教える派です。長めなのか短めなのか、鋭いのか鈍いのか、曲によって変化がつけられるということを知っておくべき。
バンジョウ入門1
♭登場。
ちょうちょう入門2
左手で弾くメロディーに挑戦。
おまどのそとで入門2
新出:ミ
初歩の曲で左手の伴奏が「ド」の音で無いのが、新鮮な響きで良い。第3音のベース、浮遊感があって好きです。
チェロキー インディアン入門2
新出:レ
左手の和音が重音に。最後まで同じ音なので負担はないでしょう。
こだま入門1
新出:ド
中央ドを中心に、第1巻で学ぶ2オクターブ分の音が全て登場。
fp が登場。初めてなので大袈裟に差をつけて弾いて良いと思う。
風車入門2
♮登場。
みつばち入門2
重音・単音両方の伴奏パターン。

|参考